年末年始、中国でも日本でも仕事を辞める人が多いと思います。先日、中国の微博(ウェイボー)で「年末に裸辞が就職難に追いつく」が話題になりました。中国の職場でよく使われている「裸辞」についてご紹介します。
■「裸辞」の意味
「裸辞(Luo ci)」は、新しい仕事が見つかる前に辞職することを指します。この言葉は将来の計画を立てずに辞職し、即座に離職することを表現しています。この行動は仕事のストレスや不満が極限に達したり、仕事に対する満足感が不足していると感じる際に行われることがあります。
この言葉は2010年末に中国の流行語トップに輝き、若い社会人の間で最も広く、最も速く広がった用語となり、職場で最も注目されている表現となりました。「裸辞」の人々は主に女性のエリート層だそうです。
■どのような人たちが「裸辞」しますか?
中国の職場のソーシャルメディアプラットフォームの「脈脈(Maimai)」と西瓜動画(Xigua Video)が共同で発表した「2020年職場の人々の裸辞状況調査報告書」(以下は「調査報告書」)によると、「裸辞」する人は以下の特徴があります。
・10人のうちに8人が「裸辞」を考えたことがあります。
・24%の男性は「裸辞」を考えたことは一度もなく、一方、26%の女性は毎日「裸辞」したい。
・26〜35歳の人々は「裸辞」に最も自信を持っています。一方、25歳以下および36歳以上の人は「裸辞」の割合は比較的に低いです。
・5年以上働いている人は新人より「裸辞」の割合がはるかに高いです。
・職種別に見ると、「毎日『裸辞』したいと考える」と回答する人々の中で、広報が33%、人事が32%、プロダクト(関連)が30%。一方、「一度も考えたことがない」と回答する人々の中で、教師が51%、医師が50%、行政が40%です。
■「裸辞」する原因
「調査報告書」によると、「裸辞」する主な原因は心の不満、給与が低いと成長の余地がない、三つです。
「心の不満」と「成長の余地がない」については社会人である限り誰も経験があると思います。
「給与が低い」については、参考用に以下のデータを見つかりました。
中国人力資源と社会保障部のデータによると、全国最低賃金額(月収)が2000元(約40900円)を超える省は18省あります。トップ5は上海(2690元<約55018円>)、北京(2420元<約49490円>)、江蘇(2280元<約46632円>)、河北(2200元<約44996円>)、天津2180元<約44582円>)です。
■辞められない理由
お金は会社を辞める主な理由ではありません。しかし、お金は辞職を阻止する主な原因です。「調査報告書」によると、「裸辞の最大の障害は何ですか?」について、半数以上の人がお金を選択しました。
具体的な理由には、50%の人が「住宅ローン、車のローン、子供の教育など、お金のプレッシャー」を選びました。47%の人が「次の仕事が見つからないことを心配している」と回答し、「社会保険や公積金が途切れないようにする必要がある」が31%、「自分が仕事を持っていないことに耐えられない」が30%でした。
「裸辞」できる自信はお金です。6割以上の人が少なくとも10万元(約204万円)の貯金があると、辞めることができると言っています。
■「裸辞」をおすすめしません!
というわけで、一定額の貯金がないかぎり、次の就職先を決めずに辞めることはおすすめしません。
「裸辞」はただ一時的にプレッシャーから逃げる方法にすぎません。ほとんどの人にとって、最終的に職場に戻ります。だから、きちんと次のキャリアを考えながら辞職や転職をすべきです。
「裸辞」する前にはまず、今までのキャリアを棚卸して、辞めたい主な原因を分析します。原因がわかったら、今の職場内で解決できるかどうかを確認し、解決するために行動してみます。どうしても解決できない、辞めたい場合はちゃんと計画を立てて、転職エージェントに相談し、転職活動をします。
やむをえず、次の就職先が決めずに辞めた場合は、次の仕事が見つかるまでの期間にスキルや資格の向上するために勉強し続けることがお勧めします。
最後に裸辞はストレスを伴うことがあります。家族や友だち、カウンセラーなどと相談し、精神的なサポートを受けましょう。